富士山世界遺産登録10周年記念企画展「美と祈りの霊峰 富士山」を下記のとおり開催します。
チラシはこちら。
2023年は、2013年6月にカンボジア国プノンペンで開催された第37回世界遺産委員会において、富士山が「富士山―信仰の対象と芸術の源泉」という名称で世界遺産登録されてから10周年の節目にあたります。
当館も開館から6年目に入り、研究や展示と一体である富士山に関わる諸分野の資料収集も、着実に歩みを進めてきました。また、富士山に深い関心を寄せてきた方々からの特色ある寄贈資料も、充実したコレクション形成の一翼を担っています。
今回は、日々進化(深化)し続けていく当館の収蔵品の中から、美(芸術)と祈り(信仰)をテーマに、2期にわたる収蔵品展を企画いたしました。
前期では、「描かれた富士山」をテーマに、朝廷に仕えた土佐派と徳川将軍の御用をつとめた狩野派の絵師による富士山絵画の競演、さらに江戸時代後期に富士山の画家として名を馳せた谷文晁の絵画世界をお楽しみいただきます。
後期では、祈り(信仰)をテーマにした展示会を開催いたします。信仰の対象としての富士山を紐解く資料、富士山信仰に関わる内容を収蔵品よりセレクトして紹介いたします。
本展覧会により世界遺産として登録された富士山の一側面を御覧になり、古来人々を魅了しつづけてきた霊峰の普遍的価値を再認識していただければ幸いです。
【前期】2023年4月29日(土・祝)~6月4日(日)
【後期】2023年6月10日(土)~7月3日(月)
※6月5日(月)~6月9日(金)は施設点検日で休館。
静岡県富士山世界遺産センター2階企画展示室(静岡県富士宮市宮町5−12)
【前期】
・未詳「富士三保清見寺図屛風」紙本金地着色 六曲一双 江戸時代前期
・狩野晴川院養信筆「四季富士図」絹本墨画(一部着色)四幅 江戸時代後期
・土佐光孚筆「富士旭日図」絹本着色 一幅 江戸時代後期
・狩野常信筆、近衞家熈賛「秋景富士三保清見寺図」絹本着色 一幅 元禄12年(1699) など
【後期】
・歌川貞秀「南口村山並大宮ヨリ登山細見絵図」錦絵・大判堅三枚続 万延元年(1860)
・作者未詳「駿河国冨士山表口之図」(肉筆) 紙本着色 二幅 江戸時代後期
・富士山本宮浅間大社奥宮の部材 など
【館内講座】「徳川将軍と富士山」
日時:5月21日(日)14時00分~15時00分
会場:静岡県富士山世界遺産センター1階研修室
講師:松島 仁(静岡県富士山世界遺産センター 学芸課長兼教授)
内容:徳川将軍が統治した江戸時代、富士山は将軍権威を担保する象徴的存在とも目されました。
本講演では当センター教授で德川記念財団特別研究員の松島仁が、徳川将軍と富士山をめぐる政治・文化的関係について、主に狩野派を中心とする絵画作品から読み解いていきます。
定員:30名(要事前申込)
参加費:無料
※申込受付期間:4月1日(土)~5月17日(水)
【ギャラリートーク】
展示担当者が企画展示室にて展示解説を行います。事前申込不要。
〈前期〉4月29日(土・祝)14時00分~15時15分~(※開始時間が変更となりました。)、6月4日(日)14時00分~
〈後期〉6月10日(土)14時00分~、6月24日(土)14時00分~
・新型コロナウイルス感染症の流行状況により中止または内容を変更する場合がございます。最新の情報は当公式ホームページ(https://mtfuji-whc.jp/wp/)でご確認ください。