出版物について

富士山学

静岡県富士山世界遺産センターでは、富士山に関わる諸学問分野を横断的に連携させるとともに、富士山の持つ顕著な普遍的価値について様々な知見を結集させ、富士山の総合研究を目指す学問として、「富士山学」を新たに創出し、その研究成果を広く公表するため、株式会社雄山閣を通じて、学術雑誌「富士山学」を刊行しています。

富士山学第1号

第1号では、士山学の多様性を示す目的から、2020年2月に開催予定であった国際シンポジウム「富士山学の頂へ」の内容を絞って誌上で再現しました。

価格:2,860 円   初版年月日:2021年3月31日      体裁:26cm/B5判並製/92頁
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〇目次
特集Ⅰ 「富士山学の頂へ」
【テーマ1】活火山富士山を取り巻く大地の成り立ち
・富士山の噴火史研究で目指すもの―世界遺産富士山の信仰と芸術の礎として― (小林 淳)
【テーマ2】富士山をめぐる宗教テクスト学と図像学
・富士山を象る宗教テクスト図像の生成と展開―聖徳太子絵伝と一遍上人絵伝― (阿部 泰郎)
・富士登拝の口決について―國學院大學図書館所蔵『神道門前法則・三種神祇之事』所収「富士山決」の紹介を通して― (大東 敬明)
【テーマ3】時知らぬ山―時空を越える富士山―
・狩野常信の富士山 (松島 仁)
・富士山は誰のモノなのか―和歌を通した象徴的私物化と文化遺産における矛盾― (エドアルド・ジェルジーニ)
特集Ⅱ 富士山信仰をめぐる「遥拝」と「登拝」
・平安時代末期の富士山信仰―富士市・医王寺経塚出土資料とその周辺― (藤村 翔)
・富士山の「合目」表記に関する一考察 (大高 康正)

富士山学第2号

江戸時代はじめに、自立した絵画ジャンルとして確立されるなど、文化的規範の地位を獲得した富士山。第2号の特集では、その前夜ともいえる室町時代から戦国、桃山時代の状況について、それぞれ豊富な知見を加えつつ研究領域を横断し検証を試みました。

価格:2,860 円    初版年月日:2022年3月25日      体裁:26cm/B5判並製/60頁
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〇目次
特集:戦国の富士山―歴史的転換期に屹立する霊峰―
・特集にあたって
・文化的規範としての“富士山”の成立 (松島 仁)
・飛鳥井雅康『富士歴覧記』における「家」の意識  ―足利義教富士遊覧作品群の影響― (髙橋 優美穂)
・戦国時代の中央文人と富士一見 (尾下 成敏)
・『富嶽図』(東京国立博物館所蔵)にみる鎌倉禅林と古河公方 (杉山 一弥)
・雪舟筆 富士三保清見寺図の主題 (島尾 新)
・戦国期における大宮の様相 (松本 将太)
・富士山学の研究室から   富士山火山ハザードマップ(改定版)の公表とそのポイント (小林 淳)

富士山学第3号

第3号では、富士山の成り立ちのその噴火史について、これまで常識と思われ着目されてこなかった事象に焦点をあて、新たな技術・アイデアをもって進められている火山研究とその知見について紹介します。

価格:2,860 円    初版年月日:2023年3月25日      体裁:26cm/B5判並製/64頁
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〇目次
特集:ハザードマップだけでは読み解けない富士山噴火
・特集にあたって
・ドローンで見た富士山頂火口の形成過程 (早川 由紀夫) 【全文PDF
・繰り返されてきた富士山の崩壊 (山元 孝広) 【要旨PDF
・近接空撮画像と航空レーザー計測点群を用いた富士山一七〇七年宝永噴火の火口近傍堆積物の層序と形成過程 (小山 真人) 【全文PDF
・宝永噴火がもたらしたもの-火山噴出物と史料が明らかにする噴火実態- (馬場 章) 【要旨PDF
・古記録・シミュレーションから宝永噴火を再現する (萬年 一剛) 【要旨PDF
・富士宮を襲った富士山噴火-青沢溶岩流、風祭川火砕流、二子山天母山噴出物に関する新知見- (小林 淳) 【要旨PDF
・富士山学の研究室から   地層剥ぎ取り資料からみえる富士山の噴火と崩壊 (小林 淳)